立花隆秘書日記 価格:¥ 1,575 納期:通常1〜2週間以内に発送 人気ランキング : 170,923位 定価 : ¥ 1,575 販売元 : ポプラ社 発売日 : 2003-03
新聞に掲載された、ほんの小さな求人広告。「立花隆のアシスタント募集」に応募してきた500名のなかから選ばれた「三代目秘書」が、日常の中で観察した立花隆像と、彼を取り巻く編集者などとの交流を描いたのが本書である。98年に刊行された『立花隆のすべて』だけでは分からない、立花隆の創作の秘密や日常生活がのぞける1冊だ。 著者が秘書の職にあったのは、93年5月から98年末にかけて。田中角栄の死や阪神大震災、地下鉄サリン事件など、日本社会の根本的な価値観が問われる出来事が立て続けに起きたなか、立花隆が最も精力的に活躍していた時期にあたる。ただでさえ原稿の締め切りに追われる多忙な毎日にも関わらず、さらに東大研究所の客員教授を引き受け、学生と身近に接する立花隆のパワーは驚異的でさえある。また、立花隆の魅力でもある、複雑に絡んだ糸を1本にほぐしていくような明快な論理が生み出される過程が、秘書でなければ描けない説得力をもって明らかにされている。 ただし、本書は、無批判にただひたすら立花隆を礼賛する書ではない。その周辺の人物や、著者自身の生活に関する日記的な描写も多いほか、立花隆の仕事ぶりも、ある一線を隔てて描写しているような客観性がある。そして、本書のラストには、立花隆に対する忠告めいたくだりも用意されている。分析に長けた「知の巨人」として社会に影響力を与えてきたからこそ、今度は自分自身の言葉で、自分自身の思いを明言して欲しい──。立花に宛てたこんな内容の手紙に、同じ思いを抱く立花ファンも多いはずだ。(朝倉真弓)
知の巨匠,立花隆の秘書をしていた佐々木さんの日記.佐々木さんが秘書をしている間に,田中角栄の死,地下鉄サリン事件など日本社会の根本的な価値観が問われる出来事が次々とおきる中で,立花隆と彼を取り巻く様々な人々の人間模様を,秘書という視点から描き出した作品.単なる立花隆の作品評価ではなく,立花隆の人物像をリアルに描き出しており,大変興味深い.しかし,本書は,「立花隆の秘書をしている,佐々木千賀子の日記」という印象が強く,「立花隆の秘書日記」として読むと若干期待はずれの感がある.というのも,佐々木さんの日々の生活にウェイトが大きく,立花隆の人物表現は全体の3分の1程度しか書かれていない.なので,本書を購入する際には佐々木さんの日記,ということを念頭にお!て読み始めることをお薦めする.それでも十分面白いが.
立花隆の創作の秘密に触れる部分も多いが、著者本人の生活・意見・趣味に関する部分も少なくないので、立花隆ファンとして読むとちょっとがっかりさせられるかもしれない。ただ著者は非常に文章がうまく日記としてみても秀逸。秘書の時期はちょうど立花隆の最盛期からかげりが見える時期にさしかかったときにあたる。金と人手と体力による創造は、そのいずれもが減少し始めることにより下降に向かう。金の切れ目が縁の切れ目のとおり、著者は立花事務所を去る。そのことを惜しんではいないのが、著者から見た立花隆に対する最終評価という意味ではちょっと悲しかった。
文章のテンポがよく、読みやすいものでした。内容も、秘書ならではの『裏話』的なところが面白い。我々のとらえる『立花隆』とその人間としての実像のギャップもおもしろい。しかし、後半になるにつれて自身の趣味や物事の感想が目立ち、ひとつひとつのテーマにつながりがなく、『え?それでなに?』という感じ。『立花隆秘書日記』というより『秘書日記』から単なる『日記』を読んでいる感じがしてくる。そして最後に突き落とされて終わる。後味が最悪です。いったいなんだったんだと読んだ自分にがっかりするがあくまで『日記』なのでつっこめない。それでこのタイトルなのか。とりあえず言いたい事はわかりました。
おそらく、佐々木千賀子さんは立花氏に誠心誠意仕えたと思う。ネコビルが倒れないない方が不思議なくらいの蔵書の山、ひっきりなしの電話。立花氏の知的生産を活性化するように、あらゆる雑事を心を込めてやり続けることは並大抵ではないだろう。自分だったら3日も持たない。昔、湯川秀樹が思索にふけるとき、奥さんは赤ちゃんの泣き声が思索の邪魔にならないように抱っこして、何位時間も外であやしたという。男の業績とは、本当はそのような献身に支えられているのかも知れない。 立花氏は正直な人らしい。佐々木さんに「自分を尊敬しすぎないで欲しい。自分は人から尊敬される種類の人間ではない」と念を押している。それにしても、感心するくらい忙しすぎる。立花氏は消耗戦を戦っていることが見えてきた。後半は東大の先生をするくだりで、立花氏の教育論の実践談。教育を批判する事はたやすいが、自分がやるとなると大変。高揚感と疲労感が伝わってくる。 佐々木氏のあとがきが波紋をよんでいる。立花氏に放ったある一言は重い。それは、佐々木氏から立花氏への決別ではなく、はなむけであり、友愛の発露のように思う。「十分に調べて書く」立花氏の存在意義は、当分薄らぐ事は無いでしょう。
猫ビル(立花隆の事務所)の本棚を公開してるHP見てて、この人の存在に言及してないので、はて?、と思っていた。この本を読んで謎が解けた。立花隆の著作では秘書選考の一部始終を公開する記事が載っていたので、不思議に思っていたのだ。 で、この本。立花信者には相当ウケが悪い。理由としては最後の「手紙」と称する部分。調べて書く、というのが立花隆の本職なのだから、それを全否定しても仕方がないだろう。それに、立花隆の小説(学生時代には書いてたようだが)なんて読みたくはないよ。立花はノンフィクションで十分に己を語っているのだ。その点で星を二つマイナス。 だが、クソミソに言うほどの本でもないと思うのだ。最後の「手紙」を除いて一気に読ませるだけのパワーを持っているので、本としてはOKだろう。著者自身、実際高倍率の秘書試験を潜り抜けて、それなりの仕事師ぶりを発揮(あくまで自己申告だけど)を発揮してて、十分にキャラ立ちしてる。 立花を素材にした佐々木千賀子の本と考えれば、十分に読める本なのだ。